「理想郷」と聞いて皆さんは何をイメージしますか?
私は子供の頃に見た「西遊記」の「ガンダーラ」がまず最初に思い出す。「ゴダイゴ」が歌っていた。
サウナにも「理想郷」があるらしい。
「遥か遠く」ではなく、それが私の住処のすぐ近く。
そう、みなさんご存知の・・・
「佐賀武雄 御船山楽園ホテル らかんの湯」
ここが「サウナの理想郷」と聞いたのは
私のサウナバイブルでもあるTVドラマ「サ道」。
なかちゃんさん、偶然さん、イケメン蒸し男くんの3人でサウナ旅に行こうとしていたが、偶然さん、イケメン蒸し男くんがコロナの接触者になってしまって、なかちゃんさん、ただ一人で行くことになった、2022年9月に11、12話にわたって放送された回だ。
全国にいるサウナーから「理想郷」とまで呼ばれているサウナがすぐ近くにあるのに、行かないてはない。
思いったたが吉日。直ぐに予約をとった。
とある土曜日。17時に仕事を終わらせ「らかんの湯」へ向かう。
予約していた当初から楽しみだったので、ウキウキ気分で運転。
自宅から車で40分少々。
駐車場に車を駐め、いざ中へ。
YouTubeなどで事前に見ていたのでわかってはいたが、実際にホテルの中に入ったら、幻想的なロビーにまずは圧巻される。
入り口の右側になるカウンターで受付を済ませる。
ロビー自体が暗いので、紙を使っての利用方法の説明などは、手元に懐中電灯の明かりを照らしながら行われる。
予約の時間より1時間ほど余裕があるので、ロビーの散策とチームラボの展示物を見ていこう。
どれもこれも、幻想的ですごくよかった。今は使われなくなった浴場や廊下などがいい雰囲気を醸し出している。特に暗い廊下の先にある炎のアートは感銘深かった。
アート作品を見ていたら、いい時間になったので「らかんの湯」へ移動。
思っていたよりは、こぢんまりとした入り口の壁には、これまで受賞した「サウナシュラン」の認定証がある。2019~2021年の3年連続1位ってすごい。
期待を胸に男湯へ。
脱衣所はロッカーはなく、籠が置いてある仕様。数はそんなに多くはない。ホテルの浴場なので仕方のないことだが、日帰りの客にはロッカーがあったほうがなにかと都合がいい。
貴重品入れの小さな鍵ロッカーはあるのだが、スパにあるような洋服やカバンなどを入れる鍵ロッカーは存在しない。高級なバックとか洋服は注意が必要だ。
タオルは使いたい放題、しかも今治タオル、これは嬉しい。
裸になり浴場へ。
洗い場もこぢんまりとしている。広くはない。デザインは洗練されていて、洗面器や椅子は透明。シャンプーやリンスなどもいいやつ使ってそう。
目立つのは木が2本生えている。これも雰囲気作りか?
体を清めて、内湯の湯船へ。
武雄温泉は近くにある嬉野温泉と同様に、つるつる肌になる美人の湯だ。
源泉掛け流しで、ツルツルとした肌触りが心地よい。
10分弱体を温めたら、いざサウナ室へ。
土曜日の夜。すでに4人入っている。
「おぉ~、これが夢にまで見た、らかんのサウナ室かぁ~~」と思っていたら・・・「あつぅ!!」
サウナ室の床がかなり熱い。足の裏が多分火傷するレベル。小走りに2段めに座る。
サウナマットは浴場入口付近に提供されているのでお忘れなく。座面、床がかなり熱いので、できれば2枚持ちがいいかもしれない。
日が落ちたせいもあるが、中はかなり暗く、テレビもない。
「あぁ~、これは瞑想できるなぁ~」と思っていたら
結構、壁越しに浴場やその他から音や話し声(子供の声)が聞こえてくる。
お客さんが多い土曜の夜なので仕方のないことと思っていたが、できれば防音性も考えてほしかった。御船山から集音マイクで森の音が聞けるという前情報があったのだが、ほぼ聞こえなかった。
ただサウナ室自体はとても良く、がんがん発汗する。熱さと適度な湿度がいいのだろう。大きなストーブを半円に囲むように座面があるレイアウトだ。
無駄な照明はなく、落ち着いて熱さを楽しめる。
ここはセルフロウリュもできる。
これも有名は「ほうじ茶ロウリュ」だ。
私も床の熱さ、ラドルの持ちての熱さに我慢しながらやってみた。
「じゅっ~~~~、わぁ~~~~~~」
いい音。
一気にほうじ茶の香りがサウナ室を満たす。
「はぁ~、いい香り、初めてサウナ室で嗅ぐ匂いだぁ~~」
サウナ室には時計もないので、自分の体と相談しながら出どころを伺う。
腕から玉汗が出てきた、そして流れ始める。
心拍数がいつもの倍くらいになってきた。
呼吸も少しずつ息苦しくなってきた。
「よし、出よう!」
火傷に気をつけながら、小走りにでる。
水風呂だ。
ここの水風呂は、武雄温泉水をチラーで冷やしている。温泉水が水風呂だ。
出口すぐ横にあるシャワーで汗を流し、いざ!
「おぉ~~!深い!」
120cmある深さだから、しっかりと肩まで立って浸かれる。
「うぅ~~」
自然と声がでてします。
「あ゛ぁ~~~~、気持ちいい~~~」
1分程したら上がり、外気浴へ。
「らかんの湯」の醍醐味は、サウナ室も良いが、この外気浴だ。
御船山という自然と向き合いながら楽しめる。
普通の整い椅子もあるが、変わった形の整い椅子が数脚、整い岩もある。
外気浴スペースは広いので「サ道」でなかちゃんさんがやっていた床自体に大の字になっても休める。
ちょっと宿泊者であろう子どもたちのはしゃぎ声がちょっと気になる。露天風呂がプール化しはじめたw
滑り台みたいな形の整い椅子に座ることができた。
目の前には森と夜空しか見えない。
大きく開けた空には、月がでている。
月の前を薄雲が流れていく。
月の光が薄雲にあたり、幻想的な白色になる。
「あぁ~、気持ちよくなってきたぁ~」
脳から雑念が消え、感覚の世界へ。
もう、なんにも気にならない。
「ととのったぁ~~」
事前の予習で「サ道」やYouTubeを見ていて、女湯の方にはカフェがあることがわかっていた。男湯にはない。
・・・と、思っていたが・・・「あるじゃん!」
まだ、公式ホームページにも掲載されていないようだが、男湯にもカフェが併設されている。
露天から小さな階段を上がると2階にある。
整い椅子が数脚、焚き火の暖炉、それを囲むように椅子。
冷蔵庫にはデドックスウォーター各種、塩プリン、乾燥みかん等もある。
前面がガラス張りで、御船山の自然を眺めながら休憩する。
夜のせいか、暖炉の火の明かりと、少々の照明がリラックス空間を作り出している。これを、全裸でできるなんてね・・・。
なんて、幸せな空間。
結局この日は、サウナ→水風呂→外気浴を5セット。
整いすぎて、頭がクラクラになった。
一緒に行った嫁さんも、かなり満足したようで
「年一は来たいね~」と話しながら帰途につく。
【所感】
今まで行ったサウナの中ではナンバーワン。
そもそも行ったサウナ施設数は少ないが・・・。
ただ、こうだったらもっといいのにと思うことは数点。
・サウナ室の防音性
・サウナ室床の遮熱の対応
・日帰り客用の鍵付き大きめロッカー
あとは、どのスパや温泉宿でもそうですが
「はしゃぎまくる子供を叱る親」がいれば尚良し。マナーっていうものを子供に教えないと・・・。その親がマナーを知らないという・・・。
なにはともあれ、今度は泊まりで行きたい。
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